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ユーカリ育成ブログです。タネを輸入して150種以上のユーカリを育てています。 By eucalyptus_k
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【ユーカリ紹介-22】ユーカリ・リズドニー (Eucalyptus risdonii)
コメント(2件) 2011/02/02 02:15
カテゴリ:ユーカリ紹介

第22回目はタスマニア出身のミント系ユーカリ。
海外では美しい銀葉やツキヌキ状の葉形が
フラワーアレンジ等でも人気のユーカリ・リズドニーです。

◎ユーカリ・リズドニー
【学名:Eucalyptus risdonii】
【英名:Risdon Peppermint】

fancyboxリズドニー(Eucalyptus risdonii)の画像1

fancyboxリズドニー(Eucalyptus risdonii)の画像2

前回のtenuiramisに引き続いて、
このrisdoniiもミント系ユーカリの代表格です。
ミント系ユーカリには数百m級の非常に大きく育つ品種と、
中規模から比較的低木の品種があります。
このrisdoniiは後者の中でも特に低木の部類で
8mくらいまでの小さな樹木に成長します。

risdoniiという学名は、
英名にあるRisdonという生息地名に由来しています。

大きく育つと柳のような細葉に変わってしまうユーカリが多い中、
risdoniiは末葉の細葉まで成長することは稀で、
最も美しいツキヌキ状の銀葉を維持することが多いようです。
また低木樹のため、比較的早い段階で花を楽しむこともできます。

葉はtenuiramisと同じく新芽が白銀色で、
特に冬季に成長する新芽が抜群に美しいです。

fancyboxリズドニー(Eucalyptus risdonii)の画像3

これもニュージーランドの栽培者から
銀葉の美しい品種としてtenuiramisと共に薦められたものです。
美しい新芽はしばらく経つと他の葉とこすれあって、
青緑色の丈夫な葉に変わっていきます。

ちなみに夏場はあまり成長が進まなくなるので、
青緑色の葉ばかりになりますが、
涼しい成長期には白銀の葉が多くなります。

外観は今の時点ではtenuiramisと非常に良く似ています。
大きな違いはtenuiramisは葉先が尖っているのに対し、
risdoniigunniiなどのように葉先が丸みを帯びています。

このrisdoniiも、
perriniana(ツキヌキユーカリ)のような
ツキヌキ状の葉形に育ちます。

fancyboxリズドニー(Eucalyptus risdonii)の画像4

育っていくに従ってtenuiramisは葉が細長いツキヌキ状に、
risdoniiperrinianaに近い丸葉のツキヌキ状になります。
大きく育つことでよりツキヌキがハッキリしていきます。

risdoniitenuiramisgunniiなどと同じく、
完全にタスマニア島固有の品種です。
tenuiramisはオーストラリア本土の種屋では、
余り見かけることがないほどマイナーでしたが、
risdoniiはフラワーアレンジ等でも人気があるためでしょうか。
各所でタネが販売されているのを見かけます。
その他ではヨーロッパやアメリカでも良く知られているようです。

タスマニアの気候はオーストラリア本土とは少し変わっています。
一日の寒暖差が大きく、四季の差があまりない本土とは異なり、
タスマニアは一日の寒暖差が穏やか、
四季の差もはっきりしており、降雨量も多めで安定しています。
この気候は比較的日本の気候に近いと言われています。
日本で育てやすいといわれているgunniiglobulusなども
実はタスマニア固有の生息種なのです。
(globulusはssp. globulusのみタスマニア生息種です。)

というわけで、このrisdoniiは、
日本では比較的育てやすいユーカリといえます。

特にミント系のユーカリ全般に言えることですが、
ハダニうどんこ病、その他の病虫害を
ほとんど受けることがありません。
これは日本の狭い栽培環境では、
とても育てやすいポイントになります。

管理方法は日本でありふれたユーカリ、
特にgunniiと同じような管理で大丈夫です。
ユーカリの中ではかなり水を好む方で、
水切れには少し注意が必要です。
gunnii程ではありませんが耐寒性は-8℃程度です。
大阪の冬なんてものともせずにどんどん成長していきます。

また暑い夏が大好きな多くのユーカリとは異なり、
かなり涼しい季節に良く成長する品種です。
この写真の株は初夏にタネを播いたものですが、
10~11月、特に11月に入ってからの方が良く成長しました。
逆に夏の間はほとんど動きませんでした。

比較的育てやすいrisdoniiですが、
一つ弱点があるとすると、
私の育てている大阪などでは、
夏場は少し暑すぎるというところです。

上記にあるように夏場はかなり成長が緩慢になり、
大阪では、高温障害の症状が出たり、
高温多湿で湿気が籠るような場所では、
葉が枯れたり、葉痛みが起こることがあります。

夏場限定で葉が黄変して、褐斑が出るのは、
典型的な高温障害の症状です。

ただ、秋も進んでかなり涼しくなる頃には、
新芽を出して復活してきますので、
余程のことがない限り枯死することはないでしょうが、
夏場は少し涼しい場所で管理した方が良いでしょう。

良く似たtenuiramisに比べると
幾分かマシですが、gunniiよりは暑さに弱いです。

夏場は蒸れを防ぐために、
乾燥気味に管理したいところですが、
risdoniiはかなり水が好きなユーカリですので、
水切れと乾燥のバランスが少し難しく、
夏場の管理がrisdoniiの唯一の鬼門になります。

気になる香りについてはtenuiramisと良く似ていますが
よりミント系の香りと若干のシネオールを感じます。
少しスッとした非常に爽快でハーバルな香りです。
ただし香り自体はそこまで強くないのが少し残念です。

fancyboxリズドニー(Eucalyptus risdonii)の画像5

このrisdoniiは、白銀色が魅力の美しいツキヌキ状の葉、
早期開花の白い小さな花、爽やかなミントの香り、
おまけに鉢植え等でコンパクトに育てられるときて、
本当に至れり尽くせりのユーカリです!

ところがなぜか日本では全く見かけることができません。
もしかすると日本でタネを播いたのは私だけ?
なんて思ってしまうほどマニアックなユーカリなのです。

fancyboxリズドニー(Eucalyptus risdonii)の画像6

日本で広まって欲しいユーカリとしてはトップクラス!
寧ろ何で広まらないのか疑問なほど素晴らしいユーカリです。
タネを購入したい場合は販売店をご紹介します。
もしタネから育ててみたいという場合には、
発芽させるまでに少しクセがありますので、
発芽しないという場合には一度ご相談ください。

ユーカリが大好き!と思われる方なら、
頑張ってタネを手に入れて、
無理をしてタネからでも育ててほしい><;
そんなオススメしまくりのrisdoniiです。

------------------------------
<栽培難易度:B>
香良さ:★★★★
香強さ:★★
成長力:★★

要水分:★★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★
耐病虫:★★★★★

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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

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