第16回目のユーカリ紹介は、
学名についているアロマが気になる
ユーカリ・アロマフロイアです。
◎ユーカリ・アロマフロイア
【学名:Eucalyptus aromaphloia】
【英名:Creswick Apple Box / Scented Bark / Scent Bark】
このaromaphloiaは一見大葉で長葉のgunniiといった外見です。
viminalisの葉にも良く似ており、
少し幅を広くして、丸みを強くしたような感じです。
同じアップルボックス名を持つbridgesianaとは対照的に、
非常にマイナーで、日本ではほとんど知られていないユーカリです。
海外の文献でにもあまり見かけることができないほどです。
確かにaromaphloiaはマイナーなユーカリですが、
その名前は一度聞くと印象に残ります。
日本でアロマテラピー等、香りのイメージで使われる、
アロマという言葉を学名に含んでいるからです。
実はアロマとはラテン語で匂うという意味、
フロイアとは樹皮という意味なので、
aromaphloiaという学名は、
英名のScented Barkとほぼ同じ意味になるわけです。
さぞかし強く良い香りがすると思いますよね?
確かに香りは弱い方ではありませんが、
非常に香りの強いBaby Blueやglobulusなどには及ばず、
cinereaなどと同じ程度の香りの強さです。
もしかして、大きな木にまで育ててみると
名前の通りその樹皮が強く香りを放つのかもしれません。
大きな木とはいっても、
樹高は18m程度とユーカリの中では比較的小型です。
聞くところによると、かなり小さな樹高の間でも
開花が見られたという情報もあります。
鉢植えでコンパクトに育てるのに向いているユーカリです。
aromaphloiaの香りはbridgesianaとほとんど同系統の香りで、
少しハーバルな草の香りがする爽やかなシネオール系の香りです。
この香りは非常に爽快で誰もが好きになれる香りです。
aromaphloiaは表面がツルっとした茎をしており、
背丈の割には細く柔らかく、幼苗のうちは少し折れやすいようです。
葉は長細く、比較的大葉に成長しますが、
株自体は少し徒長しやすい傾向があるので、
小まめな摘芯を行い、樹形にボリュームを持たせたいところです。
葉色は白みを帯びたものから綺麗な緑色のものまで様々です。
また葉脈は中心の一本だけが良く目立ち、
後は比較的ツルっとしたフラットな葉になっています。
bridgesianaと同じく、湿気の多い土壌を好んで生息するため、
過湿に対する耐性はかなりのものがあります。
ところが、そこまで水食いというわけでもありません。
gunniiなどと同様の一般的な管理で育てられます。
ただし、梅雨時期には少しうどんこ病に罹りやすいので、
風通しには十分気をつけてください。
また比較的冷涼な地域に生息しているため、
日本の暑い夏があまり得意ではありません。
環境によっては、真夏は少し高温障害の症状が出たり、
葉先に少し枯れが出ることもありますが、
涼しくなれば自然と回復し、深刻になるようなことはありません。
成長の早さはbridgesianaに匹敵するほどで、
気づかないうちに新しい芽が伸びていることが多いです。
とにかく切っても切ってもどんどん新芽を出してくれるので、
お風呂に入れる用のユーカリ候補ナンバーワンです!
耐寒性は非常に強く、-10℃程度といわれています。
大阪の冬では葉を痛めることさえありません。
総合的に育てやすく、初心者向けなユーカリといえます。
aromaphloiaはマイナーなため、
日本ではまず見かけることはないでしょう。
育ててみたい方には素晴らしい農場をご紹介します。
珍しいユーカリをマニアックな嗜好として育てるのも一つ、
育てやすいユーカリを茂らせてハーブとして利用するのも一つ。
aromaphloiaは成長も早く、香りも良く、とても育てやすいため、
収穫用のハーブとして育てるのに最適なユーカリです。
成分もシネオールが中心のため、お肌の殺菌作用に優れています。
また、ユーカリ茶としても非常に美味でした。
是非、興味のある方は育ててみてください。
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<栽培難易度:A+>
香良さ:★★★★
香強さ:★★★
成長力:★★★
要水分:★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい
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