ユーカリの薫るベランダで[Mobile版]
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【ユーカリ紹介-58】ユーカリ・ガモフィラ (Eucalyptus gamophylla)
コメント(2件) 2013/01/14 18:03
カテゴリ:ユーカリ紹介

続きまして第58回目は
ステップや半砂漠地帯に生息し、
ブルーグレイのツキヌキ葉が非常に美しい
「砂漠のツキヌキユーカリ」こと
ユーカリ・ガモフィラです。

◎ユーカリ・ガモフィラ
【学名:Eucalyptus gamophylla】
【英名:Warilu / Blue-leaved Mallee】
fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像1

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像2

このgamophyllaは、その他のユーカリとは異なり、
エアーズロックで有名なアリススプリングスの近郊から、
ノーザンテリトリーの北部の広い地域と、
西オーストラリア州の北西部、クイーンズランド州東部の
一部のかなり暑い地域に自生しています。

Wariluというアボリジニー名も持ち、
現地ではそれなりに名の通ったユーカリですが、
日本では知る人もいないのではという程にマイナーです。

このgamophyllaの生息している地域の多くは、
半砂漠地帯かステップ地帯で、
降雨量はほぼあってないような状態です。

そのような地域に生息するユーカリは、
どれも低木Malleeかブッシュ状の個体が多く、
このgamophyllaもその例にもれず、
かなり低木で横に広がることが好きなユーカリです。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像3

ユーカリ検索に掲載している
gamophyllaの樹高は8m以内となっており、
一般的にはそのように言われています。

実際に豊富に水分のあるような場所や
定期的に水を与えてもらえるような栽培時には
8m程度の樹高にまで育つ性質を発揮するようです。

ところが、大部分が半砂漠地帯で、
ほとんど雨の降らない場所に生息している
野生の個体では、ほとんどが4m以内のブッシュ状で、
樹高を伸ばすことは滅多にないようです。

他のユーカリと同じように、大きく育つと
細葉に変化するという性質も持っているのですが、
上記の要因により、野生の個体では、
細葉に変化するようなことは滅多になく、
ほとんどがツキヌキ状の葉を終始キープするようです。

gamophyllaの大きな特徴は、
何と言ってもそのツキヌキ状の葉です。

gamophyllaという学名も、接合した葉という意味で
そのツキヌキ葉を表しています。

元祖ツキヌキユーカリのperrinianaとは異なり、
ツルっとした葉に白く粉を吹いていて、
その葉は、少し離れて見ると、
とても綺麗なブルーグレイに見えます。

英名は、Blue-leaved Malleeですが、
以前に紹介したpolybractea
Blue-leaved Malleeという英名を持っています。

一般的にはpolybractea
Blue Malleeと呼ばれることが多く、
Blue-leaved Malleeというと
このgamophyllaを差すことが多いようです。

その生息地を元に、perrinianaと分けて、
私はこのgamophylla
「砂漠のツキヌキユーカリ」と呼んでいます。

ところが、ほとんどの個体がツキヌキ状の葉になる
perrinianaとは大きく異なり、gamophyllaでは幾分、
ツキヌキ状の葉が生じにくくなっています。

現地の文献を調べたり、現地の栽培者の話を聞く限りでは、
豊富な日光を浴びて、健康に育った株であることと、
ある程度の樹高に育つことで、
ツキヌキ状の葉が生じやすくなるようです。

我が家のgamophyllaにも
一部ツキヌキ状の葉が生じています。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像4

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像5

ところが今のところ、大部分の葉は、
ツキヌキ状にはなっていません。

一方、実家の庭で育てているgamophylla
ほとんどの葉が立派なツキヌキ状になっています。

ツキヌキ状の葉を生成するためには、
栽培環境の影響が大きそうですが、
個体差も大きく関係しているように思っています。

葉はかなり大葉で分厚く、写真で見ても、
Blue-leaved Malleeという英名が相応しく、
とても美しいブルーグレイの葉色をしています。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像6

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像7

写真では少しわかりにくいのですが、
cinerea/glaucescens/albidaなどの銀葉とは
少し異なった質感の銀葉をしています。

これらの品種では、少しザラザラした葉に
むらなくふんだんに粉を吹いている感じです。

ところが、gamophyllaの葉では、
元々少し光沢のあるようなツルっとした葉に
まるで粉を意図的にふりかけたような質感なのです。

また葉は上記の品種よりも遥かに分厚く、
pulverulentaのように、葉を曲げると
パキッと折れてしまうほどに硬い葉をしています。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像8

写真ではイマイチわかりにくいかと思いますが、
何となくイメージしていただけるでしょうか。

またその茎も葉と同様に
ツルっとしたところに粉をふりかけたような質感です。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像9

その質感から、日光に当たると、
その他の銀葉の映えるユーカリよりも
さらに美しく輝くのが、
このgamophyllaの大きな魅力の一つです。

gamophyllaの育て方についてですが、
「砂漠のツキヌキユーカリ」という呼称の通り、
過湿を非常に嫌い、とても乾燥を好むユーカリです。

ところが、gamophyllaの生息している地域は
ほとんど雨が降らない代わりに、
非常に豊富な地下水を有しています。

そのため、とても乾燥を好むくせに
決して水を必要としないわけではないという性質を持っており、
そこが少し栽培難易度を上げているところです。

またgamophyllaの生息地の地下水には
幾分かの塩分が含まれているため、
ユーカリ中では比較的高い耐塩性を持っていることも
gamophyllaの特徴となっています。

とにかく、我々が普通に日本で育てるには、
少々厄介で癖のあるユーカリの代表格です。

地植えなら融通は効くのでしょうが、
鉢植えの場合は、ただちに乾燥する用土で、
頻繁に水を与えるのが最適という、
とても面倒な育て方が必要なユーカリです。

極端な話が、夏場は1日で用土が全乾燥し、
葉が犬の耳のように垂れてくるぐらいの環境で、
毎朝定期的に水遣りをするというのがベストです。

過湿にうるさいgamophyllaの栽培には、
最高レベルの乾燥力を持つ用土
を使用するのが良いでしょう。

また、もう一つのポイントは、
ユーカリの中ではmacrocarpaなどに匹敵するくらいに
激しい日光を欲する品種であるというところです。

昨年までは、半日陰以下の場所で、
gamophyllaをずっと育てていましたが、
2年経っても30cmを超えずにヒョロヒョロのままでした。

ポット苗の株ではヒョロヒョロのまま、
いつしか枯れてしまったものも多数ありました。

そこで、一転して、今年の春から、
ほぼ終日直射日光が当たり、
最も西日のきつい場所に移動してみたところ、
春~夏の間だけで、60cm以上も成長し、
葉の数もびっくりするほど増えました。

このようにgamophyllaを元気に育てるためには、
豊富な直射日光と高温が必須になります。

過湿に対しては、macrocarpa程デリケートではありませんが、
かなり嫌う方で、確実に成長力がなくなり、
葉数も少なくなり、どんどんと弱っていきます。
過湿が過ぎると大きな株がいきなり枯死することもあります。

他の砂漠地帯のユーカリと同じように、
冬場の吸水量はびっくりするほど激減します。
冬の水の吸わなさは、間違いなくユーカリ中でトップクラスです。
月に2回の水遣りでは少し多すぎるくらいで、
ほぼ断水に近いような管理が必要になります。

gamophyllaのメインの成長時期は、
梅雨明けの非常に暑くなってくる時期です。
もちろん春と秋の暖かい時期にも成長は進みますが、
やっぱり夏場の健やかさにはびっくりさせられます。

成長力はそこまで激しい方ではありませんが、
環境が合った場合には、caesiaに匹敵するほどの
比較的激しい成長力を発揮してくれます。

最後に、病害虫についてですが、
日光の足らない場所で育てた場合には、
酷いうどんこ病ハダニの被害が多発します。
うどんこ病の被害の程度で言うならば、
トップクラスに酷いユーカリの一つです。

ところがそのような場所でgamophyllaを育てた場合、
根本的にこの先、健康に育てることも難しいでしょう。

酷いうどんこ病の被害が出ている場合には、
病気の防除を考えるよりも、
根本的な置き場所の改善を考えた方が良いです。

豊富な日光を浴びて厚く硬い葉を持った個体には、
うどんこ病ハダニの被害が出ることはありません。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像10

気になるgamophyllaの耐寒性ですが、
かなり暑い地域に生息しているユーカリのため、
あまり強い方ではありません。

最終的に60cmを超えるような株であれば、
-5℃くらいまでは特に問題ありませんが、
特に15cm以下の小さな苗の場合は、
0℃以上で越冬させるか、
簡易温室などで防寒対策を取った方が無難です。

また用土凍結や激しい霜にも、
あまり強いとは言えないところがあります。

一度野ざらしの10cm程度のポット苗群が、
-5℃の環境で全滅してしまったことがあります。

大きく育った株でも、0℃以下になるような場所では、
新芽を中心にピンク色~薄紫色へと激しく紅葉します。
この紅葉は中々美しく、冬場の寂しい庭を彩ってくれます。

gamophyllaの香りについてですが、
葉を激しくクラッシュしてようやく
微かに少し青臭いハーバルな香りがします。

このgamophyllaを激しく剪定したり、
支柱にギュッとくくりつける作業を行っても、
周囲に香りが漂うようなことは全くありません。

残念ながら香りを楽しむという要素は
全くないと言っても過言ではありません。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像11
※この写真は最も実際の葉色に近い写真です。

一風変わった白銀ツキヌキ葉を持ち、
日光にひと際輝くgamophylla
樹高も低く、鉢植えでも管理しやすいので、
栽培用のユーカリとして特にオススメです。

また、pachyphyllamacrocarpaなど、
乾燥と吸水のバランスが難しい
砂漠地帯出身のユーカリ挑戦編としても最適です。

日本では、見かけることさえないgamophyllaですが、
以前、親愛なるこあら師匠が試験用に育てていらっしゃったので、
もしかするといくつか在庫をお持ちかもしれません。
興味のある方は、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか?

もう一つの魅力として、
gamophyllaは低木でも開花の見込めるユーカリです。
花は珍しい色をしているわけではありませんが、
非常にたくさんの花を咲かせるユーカリです。

fancyboxガモフィラ(Eucalyptus gamophylla)の画像12

魅力的な「砂漠のツキヌキユーカリ」gamophylla
是非とも育ててみてはいかがでしょうか?
私も特にお気に入りのユーカリの一つです。

------------------------------
<栽培難易度:D+>
香良さ:★★
香強さ:★
成長力:★★

要水分:★★
耐過湿:
耐水切:★★★★
耐日陰:☆
耐移植:★★
耐寒性:★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★
------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

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