ユーカリの薫るベランダで[Mobile版]
since 2009.01.09
ユーカリ育成ブログです。タネを輸入して150種以上のユーカリを育てています。 By eucalyptus_k
ユーカリという樹木
最近お問い合わせが多くなってきたので、
ユーカリという樹木について、
簡単に書いてみたいと思います。
恐らく多くの方が育てているのは、
ラベンダーやミントなどのハーブ類、
屋内の観葉植物などがメインで、
ユーカリもその一環として
育てようと思われることが多いようです。
ただここで忘れてはいけないことは、
ユーカリは樹木であるということです。
最も低木なものでも2m~4m。
ただしこのクラスはマイナーな品種が多いので、
多くの方が良く育てているユーカリのほとんどは、
15~25mクラスの品種になります。
これは多くの草木や観葉植物とは完全に異なり、
小さくてもヤマボウシやハナミズキやツバキ、
ありふれたものでは、サクラやケヤキを
鉢植えで育てるイメージになります。
もう一つ、ユーカリは完全な陽樹のため、
室内で通常の観葉植物の鉢植えとして
育てることは残念ながらできません。
ユーカリを育て始めてから、
まずびっくりしてお問い合わせがあるのが、
冬を超えてから、葉が変色して散り始めたり、
葉に軽く班が出たり、葉の一部に枯れが出たり、
下葉がなくなりだしたりという症状についてです。
結論として、これはある種、生理現象です。
※越冬後の株、下の方の紫の葉の多くは春に散る
ここで比較の対象になる植物として、
まず花草やハーブ等があります。
これらの植物は苦手な季節(多くは冬か夏)を除いて、
全体的に綺麗な葉が茂っているイメージです。
なぜユーカリは当たり前のように
これらの植物のようにならないのかというと、
花草やハーブなどの樹高を考えてみてください。
恐らくその美しいハーブなどは、60cm~100cm程度の樹高で
一般的な最高樹高にほぼ到達していると思います。
ところがユーカリの最高樹高は、
10m~25mなわけですから、2m近くの樹高があったとしても、
ハーブ等に例えるならば、ほんの10cmの小苗になるわけです。
樹木であるユーカリは、最高樹高を目指して、
葉を増やすことよりも、背丈を伸ばすことを頑張ります。
樹高が伸びれば、下葉を落とし、その幹は木化して、
さらに土台をしっかりとさせて、また樹高を伸ばそうとします。
地植えの場合は問題ありませんが、
鉢植えの場合、ここで根張りのスペースにも限界が生じるので、
ある種、下葉がなくなって貧相になるというのは、
何らおかしなことではないわけです。
※放置すれば樹高ばかり伸びるのは自然
良く、ホームセンターなどで、
花草売場の奥に苗木コーナーがあると思いますが、
ここに並んでいる苗木たちは、どれもそのように下葉がなく、
少し貧相な苗木という形状になっていると思います。
もちろんここで、剪定のハイテクニックを駆使して、
低樹高で葉を茂らせるということも可能でしょうが、
それはある種、美しい盆栽を作るのにも似ていて、
プロでも日々苦心している部分ですから、
なかなか素人にはうまくはいきません。
例えば、広い庭に地植えをして、
そのユーカリの最高樹高近くにまで育てれば、
ある種、それらのハーブ草木などのように、
いつみても葉の茂った立派な樹木になるでしょう。
次に室内にあるシェフレラやベンジャミンなどの
観葉植物も比較の対象となる一つです。
良く言われるのが、室内の観葉植物は、
いつまでも綺麗な葉でいるのに、
ユーカリはどんどん葉が散ってしまうということです。
実は極論として、室内で植物を育てるというのは、
植物にとって非常に辛い状態にあります。
そのため、春などにはある程度成長が進みますが、
通年では、あまり大きく成長していないのです。
また室内にあるため、風雨や日光にも晒されませんし、
一部の害虫被害にも遭いにくいので、
葉が動かない=長期間葉が綺麗ということになります。
ユーカリは激しい直射日光を必要とし、
屋外でのみ育てることのできる植物です。
成長や新陳代謝の速度は、
室内の観葉植物の比ではありません。
先述した樹高を伸ばす性質に加えて、
必要のない枝葉や古い枝葉を
非常に早いサイクルで入れ替えていきます。
※湿気のこもる場所の葉は株を守るために傷んで散るがこれも生理現象
我が家の環境植物を例に取ってみると、
一年以上も前の葉がまだ残っていて、
比較的色も質感も綺麗なものが多々あります。
ところが屋外で激しい日光を浴びて、
より自然に近いサイクルで育つユーカリには、
一年前の葉などほとんど残っていません。
例え残っていたとしても、風雨にさらされて、
かなり汚くなっているか、
一部は枯れているものがほとんどです。
広いお庭をお持ちの方は大きな庭木を
お庭のない方は神社の森の樹木を
近くで良く観察してみてください。
葉の古い部分は枯れてボロボロになっていたり、
風通しの悪い部分は病気にかかって、
カビが生えていたり、萎縮している葉があったり、
所々が激しく虫に食われていたりすると思います。
それでもその樹木は枯れる気がしないくらい元気で、
春には青々とした新芽を吹きながら、
何十年もそこで変わりなく生きています。
ユーカリは現地オーストラリアでは、
野生動物くらいしかいない壮大な大平原や
大森林などの自然の厳しい場所に生息しています。
そのような場所出身で大型樹木のユーカリは、
屋外で普通に育てていれば、
上記の神社の木のような状態になります。
間違っても放置するだけで、ハーブ草木や花草、
観葉植物などと同じようにはいきません。
もちろんそこで人間の手が入るわけです。
汚く枯れた葉は人間の手で切って取り除き、
病気にかかった葉には薬剤を散布して対処し、
虫にも殺虫剤や手で取るなどの対処を行います。
この人間の手が増えれば増える程、
見栄えの良い植物になっていきます。
ただそれでも、人間が育てやすいように
品種改良された多くの花草などのようには
なかなかうまくはいかないものです。
最後に良くこんな状況を見ることがあります。
ある日、とても綺麗なお店の前で、
美しいグニーユーカリの鉢植えを見かけました。
ところが数か月後にそこを通って見てみると、
下葉はほとんどなくなり、上の方に葉が付いているだけで、
樹高もかなり大きくなって、美しい鉢とのバランスは最悪です。
そして一年も経つ頃、そこを通ってみると、
もうその鉢植えの姿はなくなっていました。
恐らくエクステリアとしては不格好となり、
破棄されたか、どこかにやられてしまったのでしょう。
少し哀しいお話かもしれませんが、
これがユーカリの自然の状態であると言えるのです。
ユーカリという樹木について、
簡単に書いてみたいと思います。
恐らく多くの方が育てているのは、
ラベンダーやミントなどのハーブ類、
屋内の観葉植物などがメインで、
ユーカリもその一環として
育てようと思われることが多いようです。
ただここで忘れてはいけないことは、
ユーカリは樹木であるということです。
最も低木なものでも2m~4m。
ただしこのクラスはマイナーな品種が多いので、
多くの方が良く育てているユーカリのほとんどは、
15~25mクラスの品種になります。
これは多くの草木や観葉植物とは完全に異なり、
小さくてもヤマボウシやハナミズキやツバキ、
ありふれたものでは、サクラやケヤキを
鉢植えで育てるイメージになります。
もう一つ、ユーカリは完全な陽樹のため、
室内で通常の観葉植物の鉢植えとして
育てることは残念ながらできません。
ユーカリを育て始めてから、
まずびっくりしてお問い合わせがあるのが、
冬を超えてから、葉が変色して散り始めたり、
葉に軽く班が出たり、葉の一部に枯れが出たり、
下葉がなくなりだしたりという症状についてです。
結論として、これはある種、生理現象です。
※越冬後の株、下の方の紫の葉の多くは春に散る
ここで比較の対象になる植物として、
まず花草やハーブ等があります。
これらの植物は苦手な季節(多くは冬か夏)を除いて、
全体的に綺麗な葉が茂っているイメージです。
なぜユーカリは当たり前のように
これらの植物のようにならないのかというと、
花草やハーブなどの樹高を考えてみてください。
恐らくその美しいハーブなどは、60cm~100cm程度の樹高で
一般的な最高樹高にほぼ到達していると思います。
ところがユーカリの最高樹高は、
10m~25mなわけですから、2m近くの樹高があったとしても、
ハーブ等に例えるならば、ほんの10cmの小苗になるわけです。
樹木であるユーカリは、最高樹高を目指して、
葉を増やすことよりも、背丈を伸ばすことを頑張ります。
樹高が伸びれば、下葉を落とし、その幹は木化して、
さらに土台をしっかりとさせて、また樹高を伸ばそうとします。
地植えの場合は問題ありませんが、
鉢植えの場合、ここで根張りのスペースにも限界が生じるので、
ある種、下葉がなくなって貧相になるというのは、
何らおかしなことではないわけです。
※放置すれば樹高ばかり伸びるのは自然
良く、ホームセンターなどで、
花草売場の奥に苗木コーナーがあると思いますが、
ここに並んでいる苗木たちは、どれもそのように下葉がなく、
少し貧相な苗木という形状になっていると思います。
もちろんここで、剪定のハイテクニックを駆使して、
低樹高で葉を茂らせるということも可能でしょうが、
それはある種、美しい盆栽を作るのにも似ていて、
プロでも日々苦心している部分ですから、
なかなか素人にはうまくはいきません。
例えば、広い庭に地植えをして、
そのユーカリの最高樹高近くにまで育てれば、
ある種、それらのハーブ草木などのように、
いつみても葉の茂った立派な樹木になるでしょう。
次に室内にあるシェフレラやベンジャミンなどの
観葉植物も比較の対象となる一つです。
良く言われるのが、室内の観葉植物は、
いつまでも綺麗な葉でいるのに、
ユーカリはどんどん葉が散ってしまうということです。
実は極論として、室内で植物を育てるというのは、
植物にとって非常に辛い状態にあります。
そのため、春などにはある程度成長が進みますが、
通年では、あまり大きく成長していないのです。
また室内にあるため、風雨や日光にも晒されませんし、
一部の害虫被害にも遭いにくいので、
葉が動かない=長期間葉が綺麗ということになります。
ユーカリは激しい直射日光を必要とし、
屋外でのみ育てることのできる植物です。
成長や新陳代謝の速度は、
室内の観葉植物の比ではありません。
先述した樹高を伸ばす性質に加えて、
必要のない枝葉や古い枝葉を
非常に早いサイクルで入れ替えていきます。
※湿気のこもる場所の葉は株を守るために傷んで散るがこれも生理現象
我が家の環境植物を例に取ってみると、
一年以上も前の葉がまだ残っていて、
比較的色も質感も綺麗なものが多々あります。
ところが屋外で激しい日光を浴びて、
より自然に近いサイクルで育つユーカリには、
一年前の葉などほとんど残っていません。
例え残っていたとしても、風雨にさらされて、
かなり汚くなっているか、
一部は枯れているものがほとんどです。
広いお庭をお持ちの方は大きな庭木を
お庭のない方は神社の森の樹木を
近くで良く観察してみてください。
葉の古い部分は枯れてボロボロになっていたり、
風通しの悪い部分は病気にかかって、
カビが生えていたり、萎縮している葉があったり、
所々が激しく虫に食われていたりすると思います。
それでもその樹木は枯れる気がしないくらい元気で、
春には青々とした新芽を吹きながら、
何十年もそこで変わりなく生きています。
ユーカリは現地オーストラリアでは、
野生動物くらいしかいない壮大な大平原や
大森林などの自然の厳しい場所に生息しています。
そのような場所出身で大型樹木のユーカリは、
屋外で普通に育てていれば、
上記の神社の木のような状態になります。
間違っても放置するだけで、ハーブ草木や花草、
観葉植物などと同じようにはいきません。
もちろんそこで人間の手が入るわけです。
汚く枯れた葉は人間の手で切って取り除き、
病気にかかった葉には薬剤を散布して対処し、
虫にも殺虫剤や手で取るなどの対処を行います。
この人間の手が増えれば増える程、
見栄えの良い植物になっていきます。
ただそれでも、人間が育てやすいように
品種改良された多くの花草などのようには
なかなかうまくはいかないものです。
最後に良くこんな状況を見ることがあります。
ある日、とても綺麗なお店の前で、
美しいグニーユーカリの鉢植えを見かけました。
ところが数か月後にそこを通って見てみると、
下葉はほとんどなくなり、上の方に葉が付いているだけで、
樹高もかなり大きくなって、美しい鉢とのバランスは最悪です。
そして一年も経つ頃、そこを通ってみると、
もうその鉢植えの姿はなくなっていました。
恐らくエクステリアとしては不格好となり、
破棄されたか、どこかにやられてしまったのでしょう。
少し哀しいお話かもしれませんが、
これがユーカリの自然の状態であると言えるのです。
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