第18回目は、過湿と日照不足が特徴な家のベランダで
ぶっちぎりで元気に育ってくれている、
日本ではユーカリ茶で有名なユーカリ・ロブスタです。
◎ユーカリ・ロブスタ
【学名:Eucalyptus robusta】
【英名:Swamp Mahogany】
このrobustaは光沢のある綺麗な深緑の大葉が特徴です。
cinereaなどの白銀色の丸葉ユーカリに見慣れていると、
これってユーカリなの?と思ってしまうほどです。
大阪では街路樹や神社、公園でクスノキを多数見かけますが、
大きく育ったrobustaの葉は大きなクスノキの葉の様でもあり、
パッと見は在来の樹木のようにも見えてしまいます。
そのため、余り観賞用として育てられることは少ないようです。
親愛なるこあら師匠の農場でも
コアラの飼料用に栽培されているようです。
ただ、私のように白銀葉の品種をメインで育てていると、
逆に新鮮で、その濃い緑の葉がやたらと美しく見えてしまいます。
多くのユーカリにはシネオール等の殺菌成分が多く含まれていますが、
これらの成分は人体に摂取すると少々有害にもなりえる成分です。
ところがこのrobustaにはシネオールがほとんど含まれておらず、
その他の有害成分もほとんど含まれていないため、
お茶に最適なユーカリとして認められているようです。
英名にスワンプとあるように沼地出身のユーカリですから、
比較的高い空中湿度を好み、水も爆発的に必要とする方です。
成長速度についてはユーカリ中でもトップクラスに速い方で、
脇芽を出しながらぐんぐんと背丈を伸ばしていきます。
生息域の近いgrandisと非常に良く似た性質で、
切っても切っても負けずに枝を増やしていきます。
これもgrandisと同じ特徴ですが、
ユーカリではお馴染みのLigno-tuber(地際の瘤)を
全く生成することのない品種です。
そのため、真っ直ぐにスッと伸びた樹形で、
スギやヒノキにも似た30mを超える立派な樹木へと生長します。
耐寒性についてはあまり強くはないと言われていますが、
-5℃くらいまでは全然大丈夫だと思われます。
今年の冬は、少しの葉痛みこそありましたが、
我が家では問題なく越冬できています。
さらに寒い場所であったり、強烈な寒風を浴びると、
葉が枯れて、激しく落葉することもあるようですが、
強健なため、中々枯死するようなことはなく、
暖かくなると同時に激しく新芽を吹いて復活します。
私が良く行く、京都の五条通に
立派なrobustaの大木が何本もあるのですが、
我が家よりも圧倒的に寒くなる京都市内でも
問題なく越冬できているので、
地植えの場合はかなり耐えられるようですね。
気になるrobustaの香りについては、
ユーカリ特有のスッとした香りは全くしません。
その他の芳香成分についても非常に微量のため、
葉を切って、手で揉んでみても、
青臭い一般的な植物の葉のような香りが強く、
その中に少しお茶のような爽やかな香りを感じることができます。
香りを楽しむハーブとしての利用は難しいでしょう。
とにかくgrandisと並んで、
非常に育てやすく、枯れる気がしないユーカリの一つです。
grandisはかなりの日光を必要としますが、
robustaは家のベランダような半日陰でも驚くほど成長が早く、
お茶や入浴剤としての利用には最適です。
家ではハダニの被害が出たり、
うどんこ病に罹ることはほとんどありませんが、
殺菌成分や精油自体の含有量が少なく、
人間がお茶として飲める程のユーカリですから、
ユーカリには珍しく、毛虫や芋虫などの害虫が良く付きます。
robustaの大きな深緑色の葉は
観葉植物としてこそ活かせるものではないでしょうか。
室内では十分な日光を確保することが難しそうですが、
非常に明るい窓辺の観葉植物としてなら利用できそうな気がしています。
是非とも一度、育ててみてください!
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<栽培難易度:A>
香良さ:★★★
香強さ:★
成長力:★★★★★
要水分:★★★★★
耐過湿:★★★★★
耐水切:★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★★★
耐寒性:★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい
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