ユーカリの薫るベランダで[Mobile版]
since 2009.01.09
ユーカリ育成ブログです。タネを輸入して150種以上のユーカリを育てています。 By eucalyptus_k
前(*) 記事一覧 次(#)
(全394記事)
【ユーカリ紹介-19】ユーカリ・ルディス (Eucalyptus rudis)
コメント(0件) 2010/10/08 16:39
カテゴリ:ユーカリ紹介
コメントする

第19回目も私がタネから育てたユーカリです。
西オーストラリア出身のユーカリだというのに、
robustaに続いて、家のベランダを気に入ってくれた、
奇特で貴重なユーカリ・ルディスです。

◎ユーカリ・ルディス
【学名:Eucalyptus rudis】
【英名:West Australia Flooded Gum】

fancyboxルディス(Eucalyptus rudis)の画像1

fancyboxルディス(Eucalyptus rudis)の画像2

Flooded Gumとは水につかったユーカリという意味です。
東オーストラリアのFlooded Gumgrandisですが、
このrudisは西オーストラリアのFlooded Gumというわけです。

その名の通り、川べりの湿った土壌であったり、
水に浸かった湿地帯に生息しているユーカリです。
そのため、乾燥を好む西オーストラリア軍団の中では、
群を抜いて水を好むユーカリであるといえます。

泥質土壌を好むため、過湿耐性は相当強いようです。
grandisrobustaに比べると、
そこまで水を頻繁に与える必要はありませんが、
同等の潅水量でも問題なく育てられます。

たださすがに西AZのユーカリなだけあって、
そこそこの水切れ耐性も兼ね備えているようで、
grandisrobustaほど水切れに気を使う必要もありません。

rudisはスワンプ系のユーカリですから、
高い空中湿度や土中湿度を好むようで、
多くの品種が過湿やうどんこ病に苦しむ梅雨時期に
病気知らずで一番順調に成長していたユーカリの一つです。

このrudisはさほど華やかなユーカリでもなく、
茂み状や低木に育つ品種が多い
西オーストラリアのユーカリの中では、
25m程度までの比較的大きな木に成長する品種です。
そのため園芸用としてはほとんど注目されていません。
寧ろかなりマニアックなユーカリといえます。

実は私も当初は名前くらいしか知らず、
ほとんどノーマークなユーカリでした。
もちろん全く育てるつもりもありませんでした。

そんなとき、ある夢を見ました。
私が大きなユーカリの木を育てている夢でした。
同居人に「そのユーカリは何?」と聞かれて、
夢の中の私は「ルディス!」と答えていました。
そして私は大切に大切にその大木の世話をしていました。

この夢がきっかけで、急激に興味を抱いた私は、
すぐにタネを取り寄せて、播いてしまい今に至ります。
本当に不思議な出会いをしたユーカリなのです。
そのrudisが、家のベランダという環境に
非常に合っているユーカリだというのも
何かしら不思議な運命を感じます。

あまり知識がない中で育て始めたので、
一般的な細葉系のユーカリかと思っていましたが、
育ててみるとかなり大ぶりではありますが、
ハートリーフに似たような葉の形をしています。
色はrobustaのように少し濃い目の綺麗な緑色です。

fancyboxルディス(Eucalyptus rudis)の画像3

たくさん太陽に当てた方が成長は速いのですが、
半日陰でも比較的順調に成長を続けてくれます。

親愛なるこあら師匠のお話では、
rudisは非常に頑強でしぶとく、中々枯れないユーカリとのことです。
過湿にも強く、ベランダでも安心して育てていけるユーカリですね。

現地では、土壌改良用にも使われるようで、
汚泥土壌や強アルカリ土壌、
塩分質の土壌までを改良する働きがあるようです。
ただ、急速な土壌改良作用のある植物ですから、
寄せ植えなどには超不向きということになります。

西オーストラリアでもかなり温暖な地域出身のため、
耐寒性は最低クラスのユーカリであるといえます。
大阪の冬であっても簡易温室に入れる等、多少の防寒対策が必要です。

露地植えの成樹で-5℃が限界、鉢植えの苗木程度であれば、
0℃以下にならないアロエのような管理が必要です。

0℃近くになり、寒風の当たるような環境では、葉が激しく痛みます。
簡易温室などで寒風を避けるだけでも痛みをかなり軽減できます。
万が一、葉が全て落葉してしまったとしても、
非常に強健な品種ですから、春に新芽を吹く可能性は高いです。

気になるrudisの香りについては、
ユーカリ特有のシネオール系の香りをベースに、
少しスパイシーでウッディーな薬草系の香りが微かに漂います。
そんなに香りの強い方でもなく、少し渋めの香りのため、
香りを楽しむ目的としては少々物足りないと思います。
私の実験では、ユーカリ茶としては比較的美味でした。

家のベランダに合っていることもありますが、
うどんこ病などの病気に悩まされることは少ないように思います。
ただし芋虫などの害虫被害には比較的遭いやすいユーカリであると
親愛なるこあら師匠に伺った記憶があります。

rudisは少し男前で大ぶりなハートリーフ系ですが、
観葉植物として葉を楽しむユーカリといえるでしょう。
中々位置づけや用途が難しいところですが、
育てやすさは耐寒性以外ではピカイチですので、
興味のある方は育ててみてはいかがでしょうか。

------------------------------
<栽培難易度:A>
香良さ:★★
香強さ:★★
成長力:★★★★

要水分:★★★★
耐過湿:★★★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★
耐移植:★★★★
耐寒性:★
耐暑性:★★★★
耐病虫:★★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

コメント(0件) | コメントする
トラックバック(0件)
前(*) 記事一覧 次(#)
(全394記事)