ユーカリの薫るベランダで[Mobile版]
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【ユーカリ紹介-24】ユーカリ・ポポラス (Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)
コメント(72件) 2011/03/03 02:15
カテゴリ:ユーカリ紹介

続きまして第24回目は
ポポラス(ポポラスベリー)として、
生け花やフラワーアレンジで有名。
その可愛いハートリーフの葉型が女性に人気の
ユーカリ・ポリアンセモスです。

◎ユーカリ・ポリアンセモス
【学名:Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos】
【英名:Red Box】

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像1

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像2

生花やフラワーアレンジの世界では、
葉と蕾や実のセットで
ポポラスベリーと呼ばれて重宝されています。

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像3
※大きく育つと写真のように涙型の葉になります。

実はこのpolyanthemosという学名は、
Many Flowers(たくさんの花)の意味で、
その名の通り、たくさんの花を咲かすユーカリなのです。
このたくさんの花=蕾がポポラスベリーを形作っています。

polyanthemosは、日本では何故か
Silver Doller Gumと呼ばれることがあり、
cinereaの英名であるSilver Doller Gumと全く同じなので
呼び名や販売名では少々ややこしいところがあります。

とにかく日本ではハートリーフユーカリ=ポポラスと思われるほど、
メジャー&人気のあるユーカリで園芸店でもたまに見かけられます。
非常に良く見かけるgunniiなどの丸葉ユーカリとは、
一風変わったハートリーフが可愛いと女性に人気があります。

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像4

上の写真はまだ比較的樹高の低いうちの葉ですが、
この原種のssp. polyanthemosでは、
ある程度の樹高になってくると、
葉が横広になってくるという特徴があります。

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像5

もちろん個体差で変わることもありますが、
葉柄(葉と幹をつなぐ部分)から
葉が90°に近い程の横方向に広がるというのが
ssp. polyanthemosの大きな特徴です。

またpolyanthemosには、
ssp. vestitaという亜種が存在します。
その紹介と比較はこちらに掲載していますので、
興味があったらご覧ください。

polyanthemosは、
ハートリーフユーカリとして販売されていることも多く、
同じハートリーフ名で販売されるorbifoliaとも良く混同されます。

polyanthemosorbifoliaに比べると
葉の葉脈がハッキリしています。
またorbifoliaは上の写真のような
横広の葉になるようなこと絶対にありません。
polyanthemosorbifoliaの識別についてはこちらで詳しく紹介しています。

polyanthemosは20m程度の中規模の樹木に育ちます。
地植えをしたいという方も多くいらっしゃいますが、
広い庭があるならば不可能ではないという感じです。

かなり小まめに剪定を行ってサイズを調整しないと、
簡単に家の2階を超えてしまうことになります。

またこのssp. polyanthemosでは、
ほぼ全ての株が立派なTree(木立型)の樹木になります。

また比較的涼しい季節に成長するgunniiなどと比べると、
かなり気温の高くなる季節に大きく成長する品種です。
環境さえ合えば、成長力は旺盛な方ですから、
小まめな摘芯を心がけてください。

もしポポラスベリーのために開花を目指す場合には、
最低でも2m以上の樹高にまで育てる必要があると思います。

生息地はcinereapulverulentaなどの
日本でメジャーなユーカリとほぼ同じ地域なので、
比較的日本でも育てやすいユーカリの代表格です。

ただ砂利土の多い土壌を好んで生息するため、
cinereaなどに比べると、より排水性の高い用土を好みます。
水はけの悪い用土や過湿には少し弱いところがあり、
根腐れには注意が必要な品種です。
川砂や軽石などを配合した乾燥力の高い用土を使用しましょう。

また、西AZのユーカリ程ではありませんが、
東AZのユーカリの中では、中々の水切れ耐性を持っています。

ユーカリの中でも特に日光の好きな品種で、
日光に当てれば当てる程、どんどんと元気に成長します。
分厚く元気に育った葉は、
真夏の直射日光でも葉焼けするようなことはありません。

ただ、このssp. polyanthemosについては、
そこそこの耐陰性も兼ね備えているようで、
他のユーカリに比べると、半日陰くらいの環境でも、
そこそこ元気に育ってくれます。

耐寒性については、cinereapulverulentaなどの
同じ地域に生息するユーカリに比べると高い方ではありませんが、
それでも-7℃程度までは耐えることができます。

英名のRed Boxが表しているように、
新しい茎は赤みを帯びた色に成長することが多く、
非常に寒さの厳しい環境では、
冬に真っ赤なモミジのような色に紅葉します。
この紅葉もpolyanthemosの冬の醍醐味といえます。

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像7

我が家では、毎年寒さが足らずに全く紅葉することはありません。
おそらく、置き場所の都合で寒風を防げるためかもしれません。

polyanthemosの葉は、
苗のうちは緑色の強い葉色をしていますが、
大きくなるに従って白銀色が強くなり、
ブルーグレイの葉色になっていきます。

気になるpolyanthemosの香りですが、
シネオール系の香りをベースに、
少しミント様の甘く爽快な香りを感じます。
シネオールがガツンとくるcinereaなどよりも、
かなり親しみやすく、魅力的な良い香りです。

ところが、葉が肉厚でしっかりしているため、
葉を強く指でこすったり、
葉を千切ったときにほのかに香る程度です。
比較的、良い香りではありますが、
あまり香りを楽しむユーカリとはいえません。

fancyboxポリアンセモス(Eucalyptus polyanthemos ssp. polyanthemos)の画像6

polyanthemosは人気があり、良く知られているユーカリです。
近所のオシャレなケーキ屋さんの入口にも置いてありました。

ところがgunniiなどと比べると、
売っているところはあまり多くありません。

ユーカリに興味がある方に育ててほしいユーカリの代表格です。
手に入れたい方には素晴らしい農場をご紹介します。
特にオススメです。是非、育ててみてくださいね^^

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<栽培難易度:A>
香良さ:★★★
香強さ:★★
成長力:★★★

要水分:★★
耐過湿:★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★
耐病虫:★★★★

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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

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