続きまして第31回目は
日本では中々ツキヌキになってくれない、
西オーストラリアのミニツキヌキユーカリこと、
ユーカリ・ウンキナータです。
◎ユーカリ・ウンキナータ
【学名:Eucalyptus uncinata】
【英名:Hook-leaved Mallee】
uncinataは西オーストラリアに生息するユーカリの中では
珍しくツキヌキ状の葉になる品種です。
ところが上の写真のように
日本で、特に幼い苗のうちは
なかなかツキヌキ状に育ってくれません。
現地オーストラリアでは
乾燥した土壌で強い直射日光を浴びて、
丈夫な株へと育つために、
幼いうちでもツキヌキ状の葉が生じるようです。
日本でももう少し大きく育っていくと
下の写真のようなツキヌキ状の葉が生じてくるようです。
uncinataの葉色は綺麗なエメラルドグリーンで、
少し白く粉を吹くこともあります。
また、比較的肉厚でしっかりとした葉をしています。
写真で見るとツキヌキ状になっているかのように見えますが、
良く見ると葉と葉の間にはしっかりと切れ目があります。
uncinataは樹木としては4m~7m程度の灌木状に育ちます。
大きく育ってくると、一般的な丸葉ユーカリと同じく、
英名の通り、鉤状の細長い葉へと形を変えます。
細長い葉になってからも、
綺麗なエメラルドグリーンの葉色を保ち、
ポポラスのようにたくさん蕾をつけるため、
現地では花材としても重宝されているようです。
uncinataは幼いうちでは脇目を出しにくく、
一本で真っ直ぐに伸びる傾向が強いようです。
また、全体がかなりコンパクトにまとまるため、
なかなか可愛らしい外観をしています。
生息地は西オーストラリアのエスペランス付近と、
少し癖のあるユーカリが多い地域ですが、
その中では比較的育てやすいユーカリです。
uncinataは少し水切れに強いlehmanniiといった感じです。
kruseanaやmacrocarpaよりは水を好みますが、
ほぼ一般的な西オーストラリアのユーカリと同じ育て方をします。
乾燥力の強い用土で乾燥気味に管理し、
一日中直射日光の降り注ぐような環境を好みます。
葉が肉厚のためか、
病害虫の影響をあまり受けにくい丈夫なユーカリです。
また、本当に若干ではありますが、
過湿環境への耐性も備えているようです。
東オーストラリアのユーカリと比べると、
uncinataの成長速度は並程度ですが、
西オーストラリアのユーカリの中では、
なかなか成長力の旺盛な方であるといえます。
uncinataはどちらかというと高い土中温度を好むようで、
涼しい季節よりも、暑い真夏メインで成長します。
耐寒性については難ありのユーカリが多い地域出身ですが、
uncinataはその中でかなり強い部類になります。
今年の-5℃近くまで下がった大阪の冬は難なく乗り越えています。
葉が肉厚のため、寒風にもそこそこ頑張りますが、
幼苗のうちは、少し風を避けた方が良いかもしれません。
冬季には新芽などが紫色に紅葉します。
気になるuncinataの香りですが、
西オーストラリアでは精油に少し定評があるようです。
アロマデンドレンという甘みの強い芳香成分を多く含み、
柑橘系の香りがメインの香水のような非常に良い香りがします。
orbifoliaやdecipiensの香りを強くしたような感じで、
この香りは誰もが好きになれるアロマティックな香りです。
uncinataは育てて外観を楽しむだけでなく、
香りを楽しむユーカリとしても十分に利用できます。
uncinataは面白い葉型のユーカリが好きで、
西オーストラリアのユーカリにチャレンジしてみたい人には、
特におすすめのユーカリです。
また、ユーカリをコンパクトに育ててみたい人や
ユーカリの香りを楽しみたい人にも最適です。
育ててみたい方には素晴らしい農場をご紹介できますので、
是非声をかけてくださいね。
意外に多いツキヌキマニア??の方は
是非とも育ててみてくださいねw♪
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<栽培難易度:C>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★
成長力:★★
要水分:★★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★
耐移植:★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい
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