記念すべき第40回目は
macrocarpaに次いで大きな赤い花を咲かせ、
丸葉版のmacrocarpaといった外観が美しく、
ユーカリの女王と呼ぶにふさわしい、
ユーカリ・ロダンサです。
◎ユーカリ・ロダンサ
【学名:Eucalyptus rhodantha】
【英名:Rose Mallee】
最近、ユーカリマニアの間では
macrocarpaが少しだけメジャーになってきました。
各所で販売されているという情報も入ってきています。
ところが、そのmacrocarpaの影に隠れてしまい、
かなりレアな存在になってしまっている
ユーカリの女王的存在なのがこのrhodanthaです。
このrhodanthaは海外や現地オーストラリアでも
比較的レアなユーカリで、自生株を見つけるのが困難で、
タネの入手も少し難しく、高価になっています。
外観を見ていただくと、
ちょうどmacrocarpaを丸葉にしたような外観で、
性質も香りも花も、色々な部分が良く似ています。
rhodanthaとは英名の通りRose(薔薇)の意味で、
下の写真のような赤い大きな花を咲かせます。
私もまだ実物の花を見たことはないので
詳しくはわかりませんが、サイズは少し小さいものの、
macrocarpaの花にとても良く似ています。
両方咲かせて、二種の花を実際に見比べてみるのが、
私の大きな目標の一つでもあります。
性質が似ているということは、
栽培難易度もmacrocarpaに次いで高めになっています。
これは私の環境での話で、
育てる環境によっても異なってくるとは思いますが、
私がrhodanthaを育てている印象では、
発芽~初期の育苗はrhodanthaの方が少し難しく、
15cm程度からの栽培や葉を綺麗に保つのは
macrocarpaの方が圧倒的に難しいという感じです。
また、macrocarpaと同程度の日光を必要とします。
これは、終日直射日光がふんだんに当たる環境を好むという、
ユーカリでも最高に日光を必要とするレベルです。
rhodanthaを半日陰以下の環境で育てた場合には、
いつまで経っても葉が大きくならずに
しまいには枯れてしまうことになります。
30cmを超えるくらいになってくると、
macrocarpa程、シビアな水分管理を必要としなくなるので、
rhodanthaの方が幾分育てやすいともいえます。
とはいえ、どちらかというと手のかかるユーカリなので、
決して初心者向けとはいえません。
雨が降るたびにわざわざ鉢を移動するくらいの
熱心でマメな人向きのユーカリといえます。
生息地は西オーストラリア州の州都パースの
北部から北東部にかけて広がる半砂漠地帯です。
年間降水量は250mm(大阪の1/6)程度で
最高気温が50℃近くにまでなるような過酷な環境です。
また、夏はほとんど雨が降らずに
雨のほとんどは冬季に集中していることも、
日本と真逆の環境であることがわかります。
そのためrhodanthaは高温多湿を極度に嫌います。
macrocarpaよりもさらに暖かい地域に生息しているため、
寒さに対してはrhodanthaの方が若干弱くなります。
アメリカなどの栽培ガイドを見てみると、
冬は温室で管理する植物のリストに入っています。
樹木としては大きくても3m程度といった低木で、
木というよりはBush状(藪状)に広がって育ちます。
macrocarpaもとても行儀が悪く、
上よりも横に伸びることが多いユーカリですが、
rhodanthaはさらに行儀が悪く、
横に伸びることがほとんどといって良いほどです。
茎や葉はとても硬いので、
幹を真っ直ぐにするために立てた木の支柱が
ある日、横に引っ張られて折れていた
なんてことが何度かありました。
rhodanthaの魅力は何と言っても
まずその白銀大丸葉の美しさではないでしょうか
かなり大葉で男前なmacrocarpaに比べると、
丸葉が可愛く、少し女性的で美しい印象があります。
ただ、cinerea/kruseanaなどの銀丸葉と比べると、
遥かに肉厚でgoniocalyxも顔負けの大丸葉になります。
またもう一つの魅力は
やはりRoseの異名を持つ美しい大きな赤い花でしょう。
日本でもmacrocarpaの栽培情報や開花情報を
最近はちらほら聞くようになってきましたが、
このrhodanthaは私の周り以外では
育てているという話を全く聞いたことがありません。
このユーカリを開花させることができたら
もしかすると日本で初めて!
なんてことになるかもしれません。
私もmacrocarpaと共にrhodanthaの開花を
当面の目標と定めて、日々精進しています。
rhodanthaの育て方のポイントは
こちらの記事のmacrocarpaの育て方のポイント
を参考にしてみてください。
macrocarpaよりも過湿に対する耐性があり、
雨に当たっても葉が汚くなることは少ないように思います。
また、macrocarpaよりも少し、
水切れに対する耐性が少しだけ強くなっています。
ただし、実際にはmacrocarpaよりも
水が好きなところもあり、
水分が足りなくても、中々枯死することはありませんが、
成長が全く進まなくなるので注意が必要です。
ただし、葉が丸葉でmacrocarpa以上に肉厚なので、
水切れサインがわかりにくいので注意してください。
どうしても自信がないという人は、
kruseana/lehmannii/tetragona/albida/crucisといった
西オーストラリアのユーカリをまず育ててみて、
その水分管理の特徴を身につけると良いと思います。
rhodanthaの耐寒性ですが、
現地の栽培者の話では-3℃が限界と聞いていました。
ところが昨年の冬は-5℃でも大した葉痛みがありませんでした。
今年も大事をとって、夜は簡易温室に入れていますが、
全くといっていいほど、葉の痛みはありません。
葉が分厚いためか、寒風にもかなり強かったです。
ただし、霜にはかなり弱いようなので、
冬季は屋外でも軒下などに置いて
霜を避ける必要があると思います。
寒さが心配だということで、
冬季に室内で管理するのは絶対に止めましょう!
室内管理は鉢に余分な水分が残るために根が傷み、枯れます。
私の室内管理の枯死率は100%です><;
冬季に寒さが心配な人は、私と同じように、
ホームセンターなどで売られている簡易温室に入れましょう。
もちろん昼間は扉全開でマイナスにいくような日の夜間のみ扉を閉じます。
思っていたよりもなかなか寒さには強いユーカリです。
気になるrhodanthaの香りですが、
macrocarpaよりもさらに良い香りで、香り自体もとても強いです。
手で葉を軽くはたいただけでほんのりと良い香りが漂います。
また水遣りのときなどに葉に水をかけたときも微かに香ります。
甘くアロマティックで爽やかな花のような香りがします。
葉をクラッシュして強く香ると、
葉の生臭さが少し出てしまいますので、
軽くはたくなどで微かに漂わせる方が
花の香りが強くなって、魅力的な香りに感じます。
美しくもとってもレアなrhodanthaですが、
なんと!!親愛なるこあら師匠の農場に在庫があります。
もし興味のある方がいらっしゃったら喜んでご紹介します!
rhodanthaはタネから販売できる苗サイズにまで育てるのが、
非常に厄介で手もかかり難しく、
さらに発芽率が極端に悪く、タネ自体も高価です。
そのため、少しだけ値は張りますが、何卒ご理解ください。
rhodanthaに関しても、私はずっと勉強中です。
もしrhodanthaを購入された方がいらっしゃったら、
一緒に情報をシェアしながら育てていけたらと思っています。
もしよろしければ、
この記事に非公開でメアドを書いてくだされば、
メールを返信させていただきます。
よろしくお願いします。
ぜひ、ユーカリの女王rhodanthaを育ててみて、
その美しさに酔いしれてみてください♪
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<栽培難易度:E>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★★
成長力:★★
要水分:★★
耐過湿:★★
耐水切:★★★★★
耐日陰:☆
耐移植:★★
耐寒性:★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい