ユーカリの薫るベランダで[Mobile版]
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【品種別栽培ガイド-06】ユーカリ・ベイビーブルー (Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue')
コメント(0件) 2012/10/19 18:37
カテゴリ:品種別栽培ガイド
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続きまして第06回目は
ユーカリ・ベイビーブルーです。

◎ユーカリ・ベイビーブルー
【学名:Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue'】
【英名:'Baby Blue' Eucalyptus】
fancyboxベイビーブルー(Eucalyptus pulverulenta 'Babyblue')の画像1

【品種情報】
最高樹高:4~6m前後
樹形:Mallee(灌木)型
親葉への変化:大きさは変化するが丸葉を終生キープ
適合pH:酸性~中性(4.5-7.5)


【生息地情報】
地域:New South Wales(Victoria州との州境付近)
夏季最高気温:最高値35℃、平均値25℃
夏季最低気温:最低値-2℃、平均値11℃
冬季最高気温:最高値18℃、平均値10℃
冬季最低気温:最低値-8℃、平均値0℃
年間降水量:450~750mm
(参考)東京-約1800mm、大阪-約1500mm


【一般栽培情報】
・日照
終日直射日光が推奨。
半日直射程度でも何とか育てられますが、
日照が悪いといつまでも小さな葉のままで貧弱になり、
うどんこ病やハダニの被害が深刻になります。
屋内管理は完全不可。

・水遣り
表面が乾いたらたっぷりというタイミングでは、
夏以外の季節は少し多すぎます。(用土による)
他の植物に比べると、遥かに乾燥を好みますが、
ユーカリに慣れている人にはかなり水好きな方です。

・用土
日照と風通しが良ければ、通常の観葉植物用土でも栽培可ですが、
パーライトや軽石、川砂などを混ぜ込んだ方がより良いです。
粒状培養土など乾燥力のあるものの方が育てやすいです。

・鉢
根張りがデリケートなので、横広の鉢だと、
パフォーマンスが異様に低下します。
この品種には必ず縦長の鉢を使用しましょう。

・肥料
あまり効き目はないですが、成長期などの液肥や、
リン酸分の少ない化成の置肥などは多少は効果あり。
全く与えなくても、十分に育てることは可能。

・植え替え
根がデリケートなので、植え替え時は注意してください。
初心者は絶対に根鉢を崩さないようにしましょう。
また、真夏・真冬の植え替えは傷みやすいので避けます。

・寄せ植え
根が細かくデリケートで、植え分けが不可能になるため、
できる限り寄せ植えは避けた方が無難です。

・病虫害
日照不足や生育不良により、
うどんこ病の被害が激しく出ることがあります。
雨のかからない場所では、ハダニ被害が激しくなります。
ユーカリ中でもハダニの被害が深刻な品種の一つです。
また、尺取虫やアブラムシが付くこともあります。
園芸用に改良された園芸品種のためか、
原種に比べると、かなり脆弱な部分が多くなっています。

・地植え
地植えをした方が明らかにパフォーマンスは上がります。
ただし、とても成長の遅い品種であり、最高樹高も小型なので、
どちらにしても、ユーカリ中ではかなり大人しい方です。
横に広がる性質が強く、特異な樹形を形作ります。
庭木としても最適なサイズのユーカリです。

・耐寒性
地植えの成樹で-8℃と言われています。
関西や関東の暖地では余裕で屋外越冬可能。
葉が硬いので、寒風にも強いです。
少しデリケートなBaby Blueですが、
寒い季節はすこぶる元気になります。

・成長力
成長はかなり緩慢で、のんびり育てられます。
環境が合えば、それなりに成長を続けますが、
数年で1mに届かないこともあるくらいです。

・開花
私はまだ実現できていませんが、
1m以内の樹高でも十分開花が目指せるようです。
花は、白に近いクリーム色の花が咲きます。
葉のサイズの割に思ったより小さな花です。
蕾や実も白く粉を吹いており、美しい外観をしています。

・枯死の要因
ほとんどが植え替えの失敗、過湿による根腐れ、
夏場の根の蒸れによる急性根腐れ。
管理が悪い場合は、稀に激しい病害虫の被害により、
枯死に至る可能性もあります。


【季節の管理】
・春秋
最も良く成長するメインの時期。
良く日光に当てて、成長を促しましょう。
日照が悪いと、ほとんど成長が進みません。
日照不足は即刻病気につながります。

・夏
最も枯らせることが多い時期。
冷涼な気候出身のユーカリなので、
日本の高温多湿な夏はかなり苦手です。
高温障害の症状がとても出やすく、
夏場はかなり葉の傷む品種です。
涼しい半日陰に退避するか、
少し遮光を行った方が良い場合もあります。
色素が抜けて、斑点ができた場合は
湿度過多・高温障害のサインです。
過湿による根の蒸れにも十分に注意します。
春の間から良く日光に当てていた株は
真夏の西日でもほとんど葉焼けすることはありません。
夏場はかなり成長が控え目になります。

・冬
用土が全乾きするタイミングで水遣り。
後はひたすら放置するでOKです。
ほとんど紅葉するようなこともなく、
葉痛みもほとんどなしで、とても力強い季節です。
この時期に過湿にしてしまうと、
春になって一気にダメージが出ることがあります。


【特記栽培情報】
まずは春と秋にふんだんに日光に当て、
丈夫で強い株を育むことが第一です。
品種の特性として、ある程度の耐陰性は持っていますが、
日照不足では、余程環境が良くない限り、
かなり貧弱で病気がちな株になってしまいます。
夏は日本の暖地では、高温多湿が過ぎるため、
どうしてもある程度の葉痛みやダメージが出ます。
春と秋に、しっかりと健康な株に育てていることで、
夏を容易に乗り切ることができます。
原種よりもさらに冷涼な地域が向いているユーカリです。

日照が不足していると、病気がちで、
雨の当たらない環境では、ハダニ被害もかなり激しく出ます。
日照不足による、生育不良に、激しい病害虫の被害が加わると、
水分管理がしっかりしていても、枯死につながることもあります。

あまり大阪や関東の暖地には合っていない印象で、
東北や長野などの涼しい地域の方が向いていると思います。
小型の園芸品種のため、成長はかなり遅くなっていますが、
それが寧ろメリットにもなります。

この手の銀丸葉系のユーカリは
どれも根張りがデリケートなため、
鉢植えではどうしてもパフォーマンスが悪くなります。
特にこの鉢植えでのパフォーマンス低下が顕著な品種です。
鉢植えの場合は、いつまでもヒョロヒョロで
支柱なしではなかなか自立しないことが多いです。

また、性質上、真上に真っ直ぐに伸びてくれることはなく、
幹から90度の角度にどんどん脇芽を出していきます。
真っ直ぐに仕立てるには、かなり無理のある矯正が必要です。

過湿に対する耐性はかなりのものなので、
このユーカリを根腐れさせた経験がある場合、
ユーカリ栽培の水分管理を根本的に見直した方が良いでしょう。


※情報は適宜追加・変更します。

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