今日はたまたま目に入った、
2つのポット苗から
興味深いお話を進めていきたいと思います。
皆さんは世界一高い木を知っていますか?
現存する世界で一番高い木として認定されているのは、
アメリカのカリフォルニア州にある、
Hyperion Treeと呼ばれるセコイアの木です。
この木の高さは、約115mです。
では、世界で一番高くなる木、
そして、記録上世界で最も高かった木は
一体何の木なのでしょうか。
実はその二つともがユーカリの木なのです!
そのユーカリとは、
Eucalyptus regnans(Mountain Ash)です。
下の緑鮮やかな小さな苗が
我が家のEucalyptus regnansです。
1872年に測定された記録によると
132.58mのregnansが観測されています。
また、非公式な過去の記録によると、
150mを超えた個体も存在していたとのことです。
最近、巷で良く作られている40階建てクラスの
タワーマンションが大体120m前後なので、
これよりも遥かに高いという信じられない高さです。
ところがregnansは材木としても評価が高く、
その後の森林破壊で背の高い個体は失われています。
現存するタスマニア島の最も高いregnansは
約99mで、それでも世界で一番高い木に
わずか16mと近差で迫っています。
regnansは約50年で65m以上にまで成長します。
これは他の木と比べると
信じられないような成長力です。
こんな世界一スケールのregnansですが、
1000m以上の冷涼湿潤な高山に生息しているため、
日本で育てると、暑さに非常に弱く、
成長のあまり進まない、大人しいユーカリになります。
それとは対照的に、今回ピックアップしたのが、
Eucalyptus preissianaというユーカリです。
preissianaは西AZの南東部に生息し、
黄色い大きな花をたくさん咲かせる
とても興味深いユーカリです。
一番背の低いユーカリというのは、
品種だけでなく、生息地などによっても様々なので、
これ!といって特定することはできませんが、
preissianaは間違いなく、
最も背の低いユーカリの一つと言えます。
この写真のpreissianaの原種は、
低いもので1mを少し超える程度のブッシュ状に、
高いものでも2mを超える程度の
灌木型(Mallee)の低木になります。
もう一つpreissianaには
Eucalyptus preissiana ssp. lobata
という亜種が存在します。
このssp. lobataは、非常に限られた
狭い地域にのみ生息するレアな亜種のため、
容易にタネを手に入れて栽培することはできませんが、
原種のpreissianaよりもさらに樹高が低く、
1m程度までと、とても低い樹高で育つユーカリです。
世界で最も高くなる樹木で、且つ
記録上も最も高い記録を持つユーカリですが、
一方では、わずか1m程度の樹高の品種も存在している。
ユーカリは、本当に
非常に多彩な植物であることが良くわかります。
いつか、タスマニア島を訪れて、
regnansの大木をこの目で見るというのが、
私たち夫婦の大きな夢の一つです。
そしてもう一つ!
来年は、preissianaに花を咲かせるという
小さな夢も同時に持っています。
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