続きまして第36回目は、
レモン系の香りでは最高に良い香り!
人呼んで”ハニーレモンユーカリ♪”
ユーカリ・スタイゲリアナです。
◎ハニーレモンユーカリ
【学名:Eucalyptus staigeriana】
【英名:Lemon-scented Ironbark】
このstaigeriana、パッと見は
本当に何の変哲もない、
まさにコアラの食べていそうな
一般的なユーカリの葉の形状をしています。
上のstaigerianaの写真を見て、
外観から特別な魅力を感じることは
なさそうな感じのユーカリです。
ところが親愛なるこあら師匠の農場では
トップクラスに人気のあるユーカリなのです!
それはなぜかというと
とてつもなく良い香りがするからです!
一般的にレモンの香りがするユーカリというと
citriodora(レモンユーカリ)が有名です。
レモンユーカリのレモン様の香りは
シトロネラールという芳香成分によるもので
レモンはレモンでもレモンの皮の香りといえます。
実はこのシトロネラールは
山椒の芳香成分と全く同じもので、
レモンユーカリは山椒の香りともいえるわけで、
少しキツ目のレモンの香りなのです。
一方このstaigerianaの香りは
シトラールという芳香成分によるもので
お菓子やアイス、ジュースなどのレモンの香りです。
サンキストレモンやCCレモンから香ってくるような
そんな美味しそうなレモンの香りですね。
私の知る限りでは
柑橘系の香りがするユーカリの中では
トップクラスに魅力的な香りといえます。
ここまで聞いただけでも、
香りの良いユーカリを求めている方には
確実にマークしていただけたかと思います(笑)。
良い香りのユーカリを教えてほしいと
良く聞かれることがありますが、
私も必ずといっていいほど、
このstaigerianaの名を挙げています。
それなのになぜ、staigerianaは、
日本でほとんど流通していないのかというと
実は超マニアックなユーカリだからなのです!
こあら師匠のような栽培業者さんでも、
私のような一般の栽培者でも、
このユーカリのタネを入手することは
とってもとっても困難なのです。
そして、入手経路がほとんどないため、
タネの品質の善し悪しを調査できないのですが、
タネの発芽率が極端に悪いのです。
通常であればポットが
双葉でいっぱいになるような量を播いても、
一つ出るかどうかという確率なのです。
それはとても残念なことですが、
現状ではどうしようもありません。
私も数えきれないほどのタネを播いて、
やっとこの一苗を確保できています。
こあら師匠のところでも、
供給が需要に追い付いていないとのことです。
そんなstaigerianaですが、
良く見てみるとなかなか美しい葉をしています。
私のところでは日照が控え目なため、
綺麗な若葉色の葉をしていますが、
よく日光に当てた葉は少し青白っぽくなり、
硬く丈夫に育っていきます。
生息地はオーストラリアの北東部、
ケアンズの近くの亜熱帯地域です。
ところがその生息地は
本当に限られた狭い狭い地域で、
そのために超ローカルでマニアックな
ユーカリになってしまっているようです。
生息地の雨量はかなり多いため、
かなり湿潤を好むユーカリです。
育てた感じとしては、
生息地が近いこともありますが、
レモンユーカリと良く似ています。
ドラセナやシェフレラ、ベンジャミンなどの
亜熱帯~熱帯性の一般的な観葉植物と
全く同じような管理で大丈夫です。
staigerianaは関東以西の暖地では
かなり育てやすいユーカリです。
ただし、夏場にはかなり水切れが激しいので
十分に気をつけてください。
樹木としては、大きくても12m程度までの大きさで
ユーカリとしてはかなり小さな部類になります。
そのため、比較的低い樹高で
開花を目指すことができます。
ユーカリ愛好会仲間のOsakano_Jieさんは、
鉢植えで150cm程度の樹高の株を
開花させることに成功されています。
※詳しくはOsakano_Jieさんのブログをご覧ください。
レモン系ユーカリに共通していえることですが、
病害虫の影響は比較的受けにくい方です。
成長力については、暖かい季節には
かなり激しく爆発的に成長していきます。
樹高を伸ばすよりも、どんどんと脇芽を出していく方です。
十分な日光を当てないと
小さく薄い貧弱な葉のままとなりますので、
良く日光に当てて育ててください。
もちろん、室内での管理はできません。
少し肌寒くなってくると
ほとんど成長しなくなってきます。
こんな魅力満点のstaigerianaですが、
亜熱帯性ということで一つ厄介な問題があります。
耐寒性については少し難ありで、
レモンユーカリよりはましですが、
0℃以上の管理が推奨となっています。
昨年の大阪の冬は-5℃近くまで下がりましたが、
外に出していた株は葉に激しく枯れが出ました。
ただ、簡易温室内であれば、
-5℃程度でも全く問題ありませんでした。
室内の管理は根が傷みやすいので、
冬季は簡易温室での管理をオススメします。
気になるstaigerianaの香りですが、
最初に述べたように、純粋なレモンの香りというよりは、
お菓子やジュースなどのレモンの香りです。
恐らくよほどのことがない限り
この香りを嫌いになる人はいないと思います。
誰でも一度は香ってほしい、とっても良い香りです。
とにかくオススメしまくり!のstaigerianaですが、
手に入れる方法が、かなり難しくなっています。
タネを買って自分で育ててみるか、
在庫切れの場合はお待ちになりますが、
こあら師匠の農場で購入するしかありません。
何とか、大量生産できれば良いなあと願いながら、
私の方では、良いタネの販売元を
これからも探していきたいと思います。
とにかく!
メチャメチャ良い香りのユーカリですよ♪
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<栽培難易度:B>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★★
成長力:★★★
要水分:★★★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい
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