ユーカリの薫るベランダで[Mobile版]
since 2009.01.09
ユーカリ育成ブログです。タネを輸入して150種以上のユーカリを育てています。 By eucalyptus_k
寒波を乗り越えたユーカリたち
昨晩の冷え込みは凄かったですね!
日本で有数の暖地である大阪でも
私の住む市の最低気温は-2℃程になりました。
私はその市の中でも最も京都よりに住んでおり、
場所は一級河川のすぐそばで
マンションの12階になりますので、
昨晩の最低気温は-3℃を越えました。
そして何よりも厄介だったのが、
ビル風によって強化された寒風による暴風です。
マンションのロータリーでは
何十キロもあるような看板が
簡単に倒れていましたし、
12階では正直、中規模の台風クラスの
暴風が吹き荒れていました。
もちろんここまでの暴風は予測していなかったので、
何鉢かは転倒していましたが、
先年のレイアウト変更で、転倒はしても、
絶対に台からの転落はないようにしていたので、
表層部の土が少しこぼれた程度で済みました。
結果的に転倒による被害は、ベランダの掃除
という面倒を引き起こしただけでした。
ベランダには様々な置き場所があります。
特に小さな苗などは、日照を確保するために、
全く寒風を凌げず、暴風吹きっ晒しの場所にあったので、
その幼さもあって、ある程度の被害が出ました。
まずtereticornisです。
このユーカリはオーストラリアでも
比較的暖かい、沖縄のような気候の地域出身のため、
耐寒性は大したことがありません。
大きな株や樹木になったものであれば、
大阪の冬で枯れることはまずありませんが、
それでも結構な葉痛みを起こします。
この2苗は見るも無残な姿になっており、
用土もカチカチに凍結して盛り上がっています。
既に見る影もありませんが、
昨晩の寒波を向かえる前には、
大きな葉が立派に生えそろっていました。
特にこの右側の苗の方は、
葉の大部分が吹き飛ばされていて、
このまま生き残るか微妙な状況です。
元々強健な品種のため、
暴風吹きっ晒しの場所の置きっぱなしでしたが、
移動させておけばよかったかなと少し後悔しています。
今後は寒風をしのげる場所で養生させる予定です。
次はpreissianaの苗です。
これもかなり傷んでいて、
緑の葉もカリカリになっていますが、
恐らくこの程度であれば大丈夫でしょう。
写真を撮っている苗置き台は
かなり寒さをしのげる場所にあります。
この傷んだ苗は、寒風吹きっ晒しの場所から
苗置き台に移動させて写真を撮っていますが、
この苗容器の右手一番後ろにある
緑鮮やかな苗も同じpreissianaです。
この小さなポットのpreissianaは、
ずっとこの場所に置いていました。
人間にとってはどちらも極寒の場所ですが、
寒風をしのげるかどうかで、
こうまで状態が変わってきます。
軒下に移動させることの効果が
目に見えてわかる実例です。
preissianaの用土も凍結していますが、
元々耐寒性の弱いユーカリといわれている割には、
tereticornisよりも遥かに善戦してくれました。
次はどうしても葉の散ってしまう
woodwardiiの葉です。
こちらの記事にも書いていますが、
本当にwoodwardiiは脆いです。
何か作りが柔いというか、
もろもろしていて、弾力性がなく、
すぐに折れてしまうのです。
寒さではなく、昨晩の強風にあおられて、
いくつかの葉が折れて取れてしまいました。
揺れ動かないように
かなりガチガチに固定していても、
他のユーカリの葉が当たったり、
単純に暴風に吹かれただけでも、
このように葉が取れてしまいます。
正直寒さに対してはかなり頑張ります。
昨晩くらいの温度では全然問題ありません。
ところが風にはめっぽう弱いので、
あらゆる状況で退避の優先順位が高いです。
毎年いくつか蕾が付きますが、
春や冬の強風で大体葉と同じように取れてしまいます。
現在も一つだけ蕾が付いていますが、
これは何とか落ちずに耐えてくれました。
これからのさらなる寒波による強風や
春一番に耐えることができるでしょうか。。。
ちなみにこのwoodwardiiは
ユーカリ中でもかなり香りの強いユーカリです。
このように取れた葉は少し揉んでから、
生ゴミ用のゴミ箱に入れて置くと、
その悪臭が完全に消臭されて
ユーカリの香りに変わります。
次は打って変わって寒さに強いユーカリたちです。
まずは我が家でも耐寒性トップクラス、
昨晩程度の寒波などものともしない
希少種のvernicosaです。
最も寒い場所に置いていて、
用土は完全にガチガチに凍結していますが
わずか数センチの苗が葉痛み完全ゼロです!
これでもし水浸しだったとしても全然大丈夫です。
少し葉先が赤いのは
夏場に傷んだものですので、
本当にこのユーカリの耐寒性は凄いです。
ちなみにvernicosaは非常に成長の遅い
超小型品種なので、この樹高であっても、
根はほぼパンパンになっています。
既に来春には5号鉢に植えかえようかな?
という状態ですので、
本当に色々と変わったユーカリです。
そして耐寒性最強クラスの評判を持つ、
pauciflora ssp. niphophilaの小苗です。
これも最も寒い場所に置いています。
わずか2センチ程度の幼苗で
用土は凍結していますが
これも全く問題のない状態です。
pauciflora系のユーカリは、
冬場に紅葉して色こそ変わりますが、
ほとんど痛みが出ることはありません。
逆に夏を乗り越えるのがとても難しく、
特にこのniphophilaは、私も一度しか
夏を乗り越えられたことがありません。
この幼苗も恐らく冬は問題なく越えられるでしょうが、
来年の夏が一番の山場になることでしょう。
次は寒さにはめっぽう強い
ツキヌキユーカリのperrinianaです。
我が家では毎年冬場に
葉が傷んだことは一度もありません。
逆に夏場は苦手で、
かなり風通しを良くしておかないと、
葉がどんどんと汚くなっていきます。
この株はTasmanian Formとして
品種管理されているタネ屋から購入したものです。
小ぶりな葉が冬場には純白~水色に変わるのも、
Tasmanian Formの特徴になります。
本当にperrinianaの葉は
冬にこそ美しく映えます。
最後は意外にも寒さに強いユーカリたちです。
まずは耐寒性に難ありとわれている
pleurocarpaです。
比較的寒風の直撃を受ける場所に置いていますが、
現在のところ葉痛みはゼロです。
pleurocarpaは育苗初期には
葉にたくさんの毛が生えています。
この毛の生えた状態のときには、
耐寒性が弱く、寒風で激しく傷みます。
ところが葉の毛がなくなると
このように耐寒性がぐんと増します。
先日、pleurocarpaの耐寒性について
お問い合わせがありましたが、
このように安心して冬を乗り越えられますよ。
この株は他のユーカリに比べて、
かなり乾燥気味に管理しているので、
その効果も加わっているのかもしれません。
次はmoon lagoonとalbidaです。
手前の葉の小さなものがmoon lagoon、
左上に見えている大きな葉のものがalbidaです。
moon lagoonは元々寒風に弱いと言われています。
我が家の株は150cmを越える樹高がありますし、
水切れギリギリにまで乾燥させて育てていますので、
その効果もあるかもしれません。
昨晩の葉痛みはほぼゼロという結果です。
albidaの方は正直かなり耐寒性が高いです。
以前、家の最も寒い場所に置いていたことがありますが、
わずか10cm程度の幼苗でも問題なく越冬できました。
このように少し寒風をしのげる場所に置いている場合は、
葉痛みは全く起こりませんし、新芽が展開したりもします。
ただ冬季の過湿には弱いところがあり、
過湿気味に管理すると冬でも葉が散っていきますので、
その辺りは少し注意が必要です。
先述した小苗以外は
その他のユーカリにもほとんど被害なし、
寒さに弱いと言われるユーカリでも、
あまり大きな影響はありませんでした。
albidaの後ろから
少しだけ顔を覗かせているwebsterianaですが、
これは寒波の前日にたっぷり水を与えていました。
外観的にも全く問題ないレベルですが、
恐らくそのせいで少しだけ葉が傷みました。
前日の水遣りをもう少し待っていたら、
きっと葉痛みゼロだっただろうという感じです。
全体的に寒波の前日に水を与えていたかどうかが
葉痛みに最も大きく影響を及ぼしているように思います。
私は虫を飼っていることもありますので、
ほぼ毎日天気をチェックしていますが、
葉痛みを避けたい場合には、
毎日天気をチェックするのも良いかもしれませんね。
まだまだ寒くなることと思いますが、
皆さんも皆さんのユーカリたちも
達者に冬を乗り越えられますよう祈っています!
日本で有数の暖地である大阪でも
私の住む市の最低気温は-2℃程になりました。
私はその市の中でも最も京都よりに住んでおり、
場所は一級河川のすぐそばで
マンションの12階になりますので、
昨晩の最低気温は-3℃を越えました。
そして何よりも厄介だったのが、
ビル風によって強化された寒風による暴風です。
マンションのロータリーでは
何十キロもあるような看板が
簡単に倒れていましたし、
12階では正直、中規模の台風クラスの
暴風が吹き荒れていました。
もちろんここまでの暴風は予測していなかったので、
何鉢かは転倒していましたが、
先年のレイアウト変更で、転倒はしても、
絶対に台からの転落はないようにしていたので、
表層部の土が少しこぼれた程度で済みました。
結果的に転倒による被害は、ベランダの掃除
という面倒を引き起こしただけでした。
ベランダには様々な置き場所があります。
特に小さな苗などは、日照を確保するために、
全く寒風を凌げず、暴風吹きっ晒しの場所にあったので、
その幼さもあって、ある程度の被害が出ました。
まずtereticornisです。
このユーカリはオーストラリアでも
比較的暖かい、沖縄のような気候の地域出身のため、
耐寒性は大したことがありません。
大きな株や樹木になったものであれば、
大阪の冬で枯れることはまずありませんが、
それでも結構な葉痛みを起こします。
この2苗は見るも無残な姿になっており、
用土もカチカチに凍結して盛り上がっています。
既に見る影もありませんが、
昨晩の寒波を向かえる前には、
大きな葉が立派に生えそろっていました。
特にこの右側の苗の方は、
葉の大部分が吹き飛ばされていて、
このまま生き残るか微妙な状況です。
元々強健な品種のため、
暴風吹きっ晒しの場所の置きっぱなしでしたが、
移動させておけばよかったかなと少し後悔しています。
今後は寒風をしのげる場所で養生させる予定です。
次はpreissianaの苗です。
これもかなり傷んでいて、
緑の葉もカリカリになっていますが、
恐らくこの程度であれば大丈夫でしょう。
写真を撮っている苗置き台は
かなり寒さをしのげる場所にあります。
この傷んだ苗は、寒風吹きっ晒しの場所から
苗置き台に移動させて写真を撮っていますが、
この苗容器の右手一番後ろにある
緑鮮やかな苗も同じpreissianaです。
この小さなポットのpreissianaは、
ずっとこの場所に置いていました。
人間にとってはどちらも極寒の場所ですが、
寒風をしのげるかどうかで、
こうまで状態が変わってきます。
軒下に移動させることの効果が
目に見えてわかる実例です。
preissianaの用土も凍結していますが、
元々耐寒性の弱いユーカリといわれている割には、
tereticornisよりも遥かに善戦してくれました。
次はどうしても葉の散ってしまう
woodwardiiの葉です。
こちらの記事にも書いていますが、
本当にwoodwardiiは脆いです。
何か作りが柔いというか、
もろもろしていて、弾力性がなく、
すぐに折れてしまうのです。
寒さではなく、昨晩の強風にあおられて、
いくつかの葉が折れて取れてしまいました。
揺れ動かないように
かなりガチガチに固定していても、
他のユーカリの葉が当たったり、
単純に暴風に吹かれただけでも、
このように葉が取れてしまいます。
正直寒さに対してはかなり頑張ります。
昨晩くらいの温度では全然問題ありません。
ところが風にはめっぽう弱いので、
あらゆる状況で退避の優先順位が高いです。
毎年いくつか蕾が付きますが、
春や冬の強風で大体葉と同じように取れてしまいます。
現在も一つだけ蕾が付いていますが、
これは何とか落ちずに耐えてくれました。
これからのさらなる寒波による強風や
春一番に耐えることができるでしょうか。。。
ちなみにこのwoodwardiiは
ユーカリ中でもかなり香りの強いユーカリです。
このように取れた葉は少し揉んでから、
生ゴミ用のゴミ箱に入れて置くと、
その悪臭が完全に消臭されて
ユーカリの香りに変わります。
次は打って変わって寒さに強いユーカリたちです。
まずは我が家でも耐寒性トップクラス、
昨晩程度の寒波などものともしない
希少種のvernicosaです。
最も寒い場所に置いていて、
用土は完全にガチガチに凍結していますが
わずか数センチの苗が葉痛み完全ゼロです!
これでもし水浸しだったとしても全然大丈夫です。
少し葉先が赤いのは
夏場に傷んだものですので、
本当にこのユーカリの耐寒性は凄いです。
ちなみにvernicosaは非常に成長の遅い
超小型品種なので、この樹高であっても、
根はほぼパンパンになっています。
既に来春には5号鉢に植えかえようかな?
という状態ですので、
本当に色々と変わったユーカリです。
そして耐寒性最強クラスの評判を持つ、
pauciflora ssp. niphophilaの小苗です。
これも最も寒い場所に置いています。
わずか2センチ程度の幼苗で
用土は凍結していますが
これも全く問題のない状態です。
pauciflora系のユーカリは、
冬場に紅葉して色こそ変わりますが、
ほとんど痛みが出ることはありません。
逆に夏を乗り越えるのがとても難しく、
特にこのniphophilaは、私も一度しか
夏を乗り越えられたことがありません。
この幼苗も恐らく冬は問題なく越えられるでしょうが、
来年の夏が一番の山場になることでしょう。
次は寒さにはめっぽう強い
ツキヌキユーカリのperrinianaです。
我が家では毎年冬場に
葉が傷んだことは一度もありません。
逆に夏場は苦手で、
かなり風通しを良くしておかないと、
葉がどんどんと汚くなっていきます。
この株はTasmanian Formとして
品種管理されているタネ屋から購入したものです。
小ぶりな葉が冬場には純白~水色に変わるのも、
Tasmanian Formの特徴になります。
本当にperrinianaの葉は
冬にこそ美しく映えます。
最後は意外にも寒さに強いユーカリたちです。
まずは耐寒性に難ありとわれている
pleurocarpaです。
比較的寒風の直撃を受ける場所に置いていますが、
現在のところ葉痛みはゼロです。
pleurocarpaは育苗初期には
葉にたくさんの毛が生えています。
この毛の生えた状態のときには、
耐寒性が弱く、寒風で激しく傷みます。
ところが葉の毛がなくなると
このように耐寒性がぐんと増します。
先日、pleurocarpaの耐寒性について
お問い合わせがありましたが、
このように安心して冬を乗り越えられますよ。
この株は他のユーカリに比べて、
かなり乾燥気味に管理しているので、
その効果も加わっているのかもしれません。
次はmoon lagoonとalbidaです。
手前の葉の小さなものがmoon lagoon、
左上に見えている大きな葉のものがalbidaです。
moon lagoonは元々寒風に弱いと言われています。
我が家の株は150cmを越える樹高がありますし、
水切れギリギリにまで乾燥させて育てていますので、
その効果もあるかもしれません。
昨晩の葉痛みはほぼゼロという結果です。
albidaの方は正直かなり耐寒性が高いです。
以前、家の最も寒い場所に置いていたことがありますが、
わずか10cm程度の幼苗でも問題なく越冬できました。
このように少し寒風をしのげる場所に置いている場合は、
葉痛みは全く起こりませんし、新芽が展開したりもします。
ただ冬季の過湿には弱いところがあり、
過湿気味に管理すると冬でも葉が散っていきますので、
その辺りは少し注意が必要です。
先述した小苗以外は
その他のユーカリにもほとんど被害なし、
寒さに弱いと言われるユーカリでも、
あまり大きな影響はありませんでした。
albidaの後ろから
少しだけ顔を覗かせているwebsterianaですが、
これは寒波の前日にたっぷり水を与えていました。
外観的にも全く問題ないレベルですが、
恐らくそのせいで少しだけ葉が傷みました。
前日の水遣りをもう少し待っていたら、
きっと葉痛みゼロだっただろうという感じです。
全体的に寒波の前日に水を与えていたかどうかが
葉痛みに最も大きく影響を及ぼしているように思います。
私は虫を飼っていることもありますので、
ほぼ毎日天気をチェックしていますが、
葉痛みを避けたい場合には、
毎日天気をチェックするのも良いかもしれませんね。
まだまだ寒くなることと思いますが、
皆さんも皆さんのユーカリたちも
達者に冬を乗り越えられますよう祈っています!
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